ハスタ(英語:Hastur)は、アメリカの小説家ホワード・フィリップ・ラヴクラフトが創り出したクトゥルフ神話に登場する存在である。彼はラヴクラフトが独自に考案したキャラクターではないが、アムブローズ・バイアーズの小説『牧羊人ハイタ』(Haïta the Shepherd)およびロバート・チェンバーズの小説『黄衣の王』に登場している。チェンバーズの著作を読んだラヴクラフトは著しく魅了され、それらの要素をクトゥルフ神話の体系に取り入れた。
ハスタの別名には、「無以名状者」(the Unspeakable)、「黄衣の王」(The King in Yellow)、「遠き宴の者」(The Feaster from Afar)、あるいは「深空星海の主(The King of Stars in Deep Space)」がある。オーガスティ・ウィリアム・デアスがクトゥルフ神話の体系を構築した際、ハスタは古代支配者(Old Ones)のひとりとして描かれ、風の存在を象徴し、水の存在を象徴するクトゥルフの死敵として位置づけられている。彼は「黄衣の王」と「遠き宴の者」という姿で主に現れる。前者は黄い衣に身を包み、柔らかい仮面を被った人間型の存在であり、後者はしわだらけで爪や触手を持つ黒い飛行体である。
ハスタの本体は、旧神によって昴宿星団の恒星・昴宿増九(マゼラン星雲の北方にある)の惑星上、古代都市カルクサの遺跡近くのハリー湖の中に封印されている。
イタクア、ロイガー、ザル、バイヤキはすべてハスタの眷属(サポーター)である。