Mercedes-Benz C111-III (1977)

C111の成功と、ジュネーブモーターショーで初公開されたわずかに改修されたC111-IIを受けて、開発者はC111を新たな次元へ引き上げた。今回は、公道用スポーツカーのデザインスタディではなく、速度記録の樹立を唯一の目的とした本格的なレーシングカー、C111-IIIが生み出された。この新型車は1977年に製作され、初代C111より幅が狭く、ホイールベースが長く、完全な空力カバーとリアエアロフィンのおかげで優れた空力特性を備えていた。1978年、C111-IIIはナルドでスタートラインに並んだ。

銀色に塗られたプラスチックボディの下では、ディーゼルエンジンがうなるように響いた。このエンジンは量産車由来のものだったが、230馬力にチューニングされ、空力的に最適化されたこの車に300km/hを超える最高速度をもたらした。この「シルバーアロー」により、メルセデス・ベンツは1970年代後半に9つの世界記録を樹立した。